著者 宇江佐真理
内容(「BOOK」データベースより)
日本橋佐内町の仕舞屋で暮らしはじめた伊三次とお文に男児が誕生。大喜びの伊三次をよそに、初めての子育てに戸惑いを隠せないお文―。ますます目がはなせない人情捕物帳。
いやぁ、歳取ったのかなぁ。
人情話に目が潤んでしまいました。
特に、最終章の『慈雨』 文章が綺麗です。
伊三次は曲がり角で振り向いた。振り向かずにはいかなかった。直次郎がおずおずと戸に近づき、中へ声を掛けた様子である。
ほどなく、戸が開き、お佐和の白い顔が覗いた。お佐和はもはや泣き笑いのような表情をしている。かぶりを振った。もう一度、かぶりを振った。それからこくりと肯いた。情景が浮かんでくるような、人情話にピッタリの文章です。